ふるさとの冬の体験から

校長 関根 秀実






   私が子どものころの暖房は「まきストーブ」でした。秋になると、木材を積んだ馬車がやって
  来て、庭に大量の木材を下ろします。何日かすると、丸鋸(まるのこ)をつけたリヤカーのおじ
  さんがやって来て30cmくらいの長さに切り分けていきます。エンジンで回転する丸鋸が太い
  木材を切っていく音が今も耳に残っています。この後の作業は、父と私の仕事でした。庭に積
  まれた丸太の輪切 りを斧で割る「薪割り」です。父が割り、私が針金でまとめて、家の軒下に
  積んでいきます。春が来るまで使う薪はすごい量で、重労働が永遠に続くのではないかと悲し
  くなりました。膨大な薪を準備しなければならない冬の厳しさを全身で感じ、父に感謝しました。
   学校の暖房は、石炭ストーブ(ルンペンストーブ)でした。 教室の真ん中にあって、ストーブ
  の近くは熱くて我慢。教室の隅だと寒くて我慢でした。掃除当番の仕事の一つに、次の日に燃
  やすストーブに石炭を入れて用意する仕事がありました。生徒が登校するころ、教室はほんのり
  温かかった記憶があります。当時、私は通っていた帯広第四中学校は34クラスありましたから、
  用務員のおじさんが全ての教室のストーブに火を点けるためには、随分朝早くに仕事を始めた
  ことでしょうね。「おはようございます」というおじさんへの挨拶には心がこもりました。
   家も学校もとても寒く、どんなに学校から遠くに住む生徒も歩いて学校に通う、不便で苦労の
  多い時代でした。心から感謝するということを学びやすい時代だったと思います。
   苦労が見えにくくなった現代、私は、体験を大切にし、感謝をしっかりと言葉で伝えることを大切
  にしたいと考えています。頼もしい先輩として紙中をリードし続けた3年生の皆さんの頑張りに
  ありがとう。
  上中の伝統を見事に引き継いでいる2年生の皆さん、先輩を見習い立派な上中生に成長した
  1年生の皆さんの努力にありがとう。上中生を陰に日向に支え、導いてくださった先生方に
  ありがとう。・・・・・・

写真荒井知子さん

 上士幌中学校便り「白樺」があります。 
いつも、事務の荒井さんが送ってくださいます。
私はそれを楽しみにして、読ませていただいています。
1ページ目は、関根秀実校長先生が書かれています。
12月のお便りの題は、「ふるさとの冬の体験から」でした。
読んでいると、子供のころを思い出しました。
校長先生の許可を得て、書かせていただきます。

 鈴木卓さんが、上士幌中学校の校歌の伴奏曲を
作ってくださいました。
学校には楽譜を私の版画と並べて掲示してあります。
岩本光市のひ孫、里館亮祐さんが弾いてくれました。

上中卒業の先輩はいつも上中を愛し、見守っています。

上士幌中学校校歌とお便り

日本水仙